COLUMN
“コラム”
『びだびだ山形』

『びだびだ山形』

   

1回、美術系大学合同進学相談会『びだびだ山形』を開催しています。

 

大学の合同進学相談会ですから、いくつかの大学がブース出展していて、高校生がそれぞれのブースで受験の相談をする会、ということは想像して頂けるかと思います。なかでも「美術系」という分野、いわゆる「美大」に限定した進学相談会というところが最大の特徴です。

なぜこんな相談会が必要なのでしょうか。

まず、美術の常勤の教員がいる高校が少ない、という状況があります。

少子化によって学校規模の縮小が進んだ現在、山形県内にあるなかの44%ほどの高校にしか常勤の美術科教員が配置されていません。つまりは、半数以上の高校が美術・デザイン分野への大学進学を希望する生徒に対して常時的確なアドバイスを授ける機能を有しておらず、情報収集の段階から生徒個人の努力に委ねられている、と言えるのです。

加えて、そもそも美術やデザインの学びに対して、「美大を卒業しても就職できない」、「食べていけない」という誤解が根強く存在します。

実際の社会には、広告・工業デザイン・建築・アニメ・イラスト・ゲーム・映像などなど、美術系の大学で学び得る力を生かせる仕事は多様に存在します。しかし、特に常勤の美術教員がいない高校では、進路希望の変更を求められるという「親切が過ぎた指導」がなされてしまいがちで、残念ながら生徒がこの分野に進学することを前向きに考えにくいのです。

さらには、美大の入試では実技試験が課せられることが多く、デッサンなど実技の訓練には時間を要します。描き方を教わって「ハイ・上達しました!」といくものではありません。描いては直して、問題点を分析、あるいは指摘され、少しずつ身につけるしかないものなので、どうしてもある程度の長い時間がかかります。ゆえに、情報収集となればなおさらのこと、出来るだけ早くに準備を始めた方がいいことになります。

以上のような状況から、『びだびだ山形』を開催しています。毎回、来場者アンケートには「知らなかったことをたくさん知ることが出来た」という生徒・保護者の喜びが寄せられます。それまでほとんど知らなかった魅力を多く知り過ぎたギャップで泣き出す生徒もいました。

 

例年10を超える大学がブース出展をしてくれています。これだけの数の美大を比較して見られる機会はなかなか無いと思います。近い将来、進学を考えている中学生や高校生、その指導にあたっている先生たちに、ぜひ足を運んでもらいたいです。    

 

 

喜早 洋介さん(きそう ようすけ)

東北芸術工科大学卒。ローカル線プロレス実行委員長、びだびだ山形主催。 芸術やプロレスのみならず、蕎麦や伝統文化にも造詣が深い。

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●びだびだ山形:https://bidabida-yamagata.com/